ジェネリックにしないと”特別の料金”!長期収載品の選定療養って?

2025年06月19日

ジェネリックにしないと”特別の料金”

長期収載品の選定療養とは?あなたの薬代が変わる新しいルール

去年の秋頃から、お薬代が高くなったと感じた方はいませんか?それは、令和6年10月から「長期収載品の選定療養」という新しい制度が始まった影響かもしれません。

この制度は、ジェネリック医薬品(後発医薬品)があるお薬について、あえて先発医薬品を選ぶ場合に、通常の薬代に加えて「特別の料金」が自己負担となる仕組みです。

今回は、この新しい制度を分かりやすく解説!お薬代にどう影響するか一緒にチェックしましょう!

知っておきたい!お薬の種類

私たちが病気になったときにお世話になるお薬には、いくつかの種類があることをご存知でしょうか。今回の新しい制度を理解するためにも、まずは代表的なお薬の種類について簡単にご説明します。

先発医薬品(新薬)

新しい成分として最初に開発・承認されたお薬です。長い研究開発期間と厳しい試験を経て作られ、病気に対する新しい治療法を提供します。特許によって一定期間は開発した会社だけが製造・販売できます。

ジェネリック医薬品(後発医薬品)

先発医薬品の特許期間が終了した後に製造・販売される、先発医薬品と有効成分、効果、品質が同等なお薬です。開発コストが抑えられるため、先発医薬品よりも経済的な価格で提供されます。

長期収載品

ジェネリック医薬品が登場した後も、引き続き市場に流通し、多くの患者さんに長期間使われている先発薬の事を指します。

現在、国の医療費の増加が課題となっており、より安価なジェネリック医薬品の利用促進が重要な政策の一つとなっています。今回導入される長期収載品に関する新しいルールは、このジェネリック医薬品の普及をさらに進め、医療費の効率化を図ることを目的としています。

例えば、下記のお薬が長期収載品です。

先発医薬品(長期収載品)ロキソニン錠60mg
ジェネリック医薬品ロキソプロフェンNa錠60mg

長期収載品の「選定療養」っ

長期収載品の選定療養は、患者さんが先発医薬品の服用を希望した場合に、通常の薬剤費に加えて「特別の料金」を負担していただく制度です。

選定療養の仕組み

後発医薬品(ジェネリック医薬品)がある薬について、医師が「ジェネリックでも問題ない」と判断したにもかかわらず、患者さんの希望で先発医薬品(長期収載品)を選んだ場合が対象です。
この場合、通常の薬代に加えて「特別な負担額」が加算されます。

特別の料金

「特別の料金」は、先発医薬品と最も薬価の高い後発医薬品との価格差の「概ね4分の1相当額」です。
この料金は、健康保険の対象外となるため、全額自己負担(自費)となります。通常の医療費(1〜3割負担)とは別に支払う必要があります。

どんなお薬が対象

長期収載品の選定療養の対象となるのは、「一部の後発医薬品(ジェネリック医薬品)がある先発医薬品(長期収載品)」です。
対象となる具体的な医薬品リストは、厚生労働省のウェブサイトなどで確認できます。

具体的には、以下の条件を満たすお薬が対象となる可能性があります。

特別の料金って?

長期収載品の選定療養が適用される場合、通常の薬代(自己負担分)とは別に「特別の料金」が発生します。これは、先発医薬品と最も価格の高いジェネリック医薬品との価格差の4分の1に相当する金額です。

Aさんの場合

Aさんは、これまで先発医薬品(ロキソニン錠60mg)を処方されていました。
診療費+お薬代(先発医薬品)=590円

2024年10月から始まった、「長期収載品の選定療養」がスタート!
今まで通りの先発医薬品(ロキソニン錠60mg)の処方をAさんが希望した場合
▶ 診療費+お薬代(先発医薬品)+特別の料金=700円

ジェネリック医薬品(ロキソプロフェンNa錠60mg「YD」)が処方された場合
▶ 診療費+お薬代(ジェネリック医薬品)=560円

特別な料金が発生しないケース

以下の場合、特別の料金はかかりません。

医療上の必要性がある場合や、薬局にジェネリック医薬品の在庫がないなど、やむを得ない事情がある場合は対象外となります。

まずは医師や薬剤師へ相談しよう!

2024年10月からは、ジェネリック医薬品がある長期収載品について、患者さんの希望で先発医薬品を選んだ場合に「特別の料金」がかかる選定療養の制度が始まります。

この「特別の料金」は、先発医薬品と最も価格の高いジェネリック医薬品との価格差のおおよそ4分の1(消費税を含む)が目安となります。

ただし、医師が医療上の必要性を認めた場合や、薬局にジェネリック医薬品の在庫がない場合など、この特別の料金がかからないケースもあります。
ご不明な点やご心配な点があれば、まずは医師や薬剤師にご相談ください。

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