脂質値を下げる薬
脂質異常症は、血液中のコレステロールや中性脂肪などの脂質を異常な値に上昇させる病気です。放置すると、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中などのリスクが高まるため、適切な治療が必要です。脂質異常症の治療には、食事療法や運動療法に加え、薬剤治療が重要です。近年、脂質異常症の治療薬は目覚ましい進歩を遂げており、さまざまな種類の薬剤が開発されています。治療薬を選ぶ参考にしてください。
脂質異常症の治療薬の種類
脂質異常症の治療薬は、大きく分けて以下の5種類に分類されます。
- HMG-CoA還元酵素阻害薬 (スタチン)
- EPA製剤
- 小腸コレステロールトランスポーター阻害薬
- フィブラート
- ニコチン酸
HMG-CoA還元酵素阻害薬 (スタチン)
HMG-CoA還元酵素阻害薬 (スタチン) は、脂質異常症治療薬の代表的な薬剤です。肝臓でコレステロールの合成を抑制することで、LDLコレステロール値を大幅に下げる効果があります。スタチンは、安全性が高く、長期投与しても副作用が比較的少ないというのが特徴です。そのため、脂質異常症の第一選択薬として広く使用されています。
ロスバスタチン
ロスバスタチン錠は、HMG-CoA還元酵素と呼ばれる酵素を阻害することで、肝臓でのコレステロール合成を抑制し、血液中のLDLコレステロール値を大幅に下げる効果があります。また副作用も比較的少ないため、多くの人に処方されています。
EPA製剤
EPA(エイコサペンタエン酸)は、オメガ3脂肪酸の一種であり、青魚に多く含まれる不飽和脂肪酸です。EPAは、血液をサラサラにする効果や、抗炎症作用、抗血栓作用など、様々な健康効果を持つことが知られています。オメガ3脂肪酸エチル粒状カプセルは、中性脂肪を下げ、血液をサラサラにする効果を持つ脂質異常症治療薬です。
小腸コレステロールトランスポーター阻害薬
腸からのコレステロールの吸収を抑制することで、LDLコレステロール値を下げる効果があります。他の脂質異常症治療薬と併用することで、より効果的に脂質異常症を治療することができます。
エゼチミブ
エゼチミブ錠は、腸からのコレステロール吸収を抑制し、LDLコレステロール値を下げる効果を持つ脂質異常症治療薬です。スタチン系薬剤などの他の脂質異常症治療薬と併用することで、より効果的にLDLコレステロール値を下げることができます。服用方法は簡単で、副作用も比較的少ないため、多くの人に処方されています。
フィブラート
フィブラートは、中性脂肪を下げ、善玉コレステロールを増やすことで、脂質異常症の治療に効果的な薬剤です。服用方法は簡単で、副作用も比較的少ないため、多くの人に処方されています。
ニコチン酸
ニコチン酸は、LDLコレステロールを下げ、HDLコレステロールを増やすことで、脂質異常症の治療に効果的な薬剤です。しかし、ほてりなどの副作用が現れることがあります。
まとめ
脂質異常症の治療薬には、スタチンやEPA製剤、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬、フィブラート、ニコチン酸などがあります。これらの薬剤は、それぞれ作用機序や効果、副作用などが異なるため、医師と相談しながら自分に合った薬を選ぶことが重要です。
脂質異常症は、自覚症状がないことが多い病気ですが、適切な治療によって十分にコントロールできる病気です。 健康な生活を維持するためにも、定期健康診断を受検し、所見がある場合は医療機関で適切な治療を受けましょう。