コレステロール薬一覧・比較

2026年01月23日
コレステロールの薬一覧

病院の診察室で「コレステロール値が高いですね」と告げられ、処方箋や薬を受け取った帰り道。「この薬、本当に飲み続けて大丈夫なのかな?」「名前は聞いたことあるけど、どんな効果があるんだろう?」と、スマートフォンで検索している方が多いのではないでしょうか。

あるいは、通院を続ける中で「数値が下がらないから、少し強い薬に変えましょう」と医師から提案され、「今の薬と何が違うの?」「副作用は強くならない?」と不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。

脂質異常症(高コレステロール血症)の治療薬には、実は明確な「強さのランク」や「種類(作用機序)」による違いがあります。

例えば、代表的なスタチン系薬剤一つをとっても、ロスバスタチンのように強力にLDLを低下させるものから、マイルドに効くものまで様々です。また、ジェネリック医薬品への切り替えで名前が変わったり、アトルバスタチンのようにグレープフルーツとの飲み合わせに注意が必要な薬があったりと、知っておくべき情報は多岐にわたります。

何より、「筋肉痛が起きるって本当?」「一度飲み始めたら、一生服用し続けなければならないの?」といった、副作用や長期的な治療に対する不安は、多くの患者さんが抱える共通の悩みです。

そこで本記事では、主要なコレステロール薬を一覧で整理し、それぞれの「強さ」や「特徴」を一目で比較できるようにしました。ご自身の飲んでいる薬がどのような位置づけなのか、そして自分に本当に合った薬剤はどれなのか解説します。

コレステロール低下薬の分類

まずは、現在日本で使用されている主なコレステロール低下薬を、その作用と特徴ごとに分類した一覧表をご覧ください。医師が処方薬を決める際、患者さんのコレステロール値(特にLDLコレステロール)、中性脂肪の値、合併症のリスクなどを総合的に判断して、これらの薬の中から最適なものを選択します。

分類薬剤名(一般名)主な作用LDL低下効果特徴・推奨されるケース
スタチン系
(HMG-CoA還元酵素阻害薬)
クレストール
(ロスバスタチン)
肝臓でのコレステロール合成を強力に抑制非常に強い
(40-50%低下) 
数値を確実に下げたい方、ハイリスクの方。水溶性で相互作用が比較的少ない。
スタチン系
(HMG-CoA還元酵素阻害薬)
リピトール
(アトルバスタチン)
肝臓でのコレステロール合成を抑制強い
(30-40%低下)
世界的に使用実績が豊富。エビデンスが多く、安心して使えるスタンダード薬。
スタチン系
(HMG-CoA還元酵素阻害薬)
メバロチン
(プラバスタチン)
肝臓でのコレステロール合成を抑制マイルド
(20-30%低下)
日本で開発された薬。副作用が少なく、高齢者や多くの薬を飲んでいる方に適している。
小腸コレステロール
トランスポーター阻害薬
ゼチーア
(エゼチミブ)
小腸からのコレステロール吸収を阻害中程度
(15-20%低下) 
スタチンが体質に合わない方、またはスタチンだけでは目標値に届かない場合の併用薬として。
フィブラート系リピディル中性脂肪の分解促進・合成抑制LDLは軽度低下
中性脂肪に有効
中性脂肪(トリグリセライド)が高いタイプの方に第一選択となることが多い。

この表にあるように、コレステロールを下げる薬の主役は「スタチン系」と呼ばれるグループです。スタチンは肝臓でコレステロールが作られるのをブロックする薬で、血液中のLDLコレステロールを劇的に下げる効果があります。

しかし、「どのスタチンも同じ」ではありません。強さや副作用のリスク、体内での代謝経路などが異なります。

主要スタチン系薬剤の特徴(効果・副作用)

スタチン系薬剤は、肝臓でコレステロールが作られるのを抑える薬です。(正式名称を「HMG-CoA(コーエー)還元酵素阻害薬」と呼ばれます。)肝臓において、コレステロール合成の律速段階であるHMG-CoAからメバロン酸への変換を司る還元酵素の働きを阻害することで、コレステロールの合成を抑制します。

これにより、肝臓内のコレステロールが不足すると、肝臓は血液中からLDLコレステロールを取り込んで補おうとするため、結果として血中のLDLコレステロール値が低下します。

動脈硬化予防のエビデンスが最も豊富で、第一選択薬として広く使われています。

ここでは、代表的な3つのスタチンについて、当院が調査した患者報告データに基づく傾向をご紹介します。

クレストール(ロスバスタチン)|最強クラスの低下作用

ロスバスタチン(商品名:クレストール)は、現在利用できるスタチンの中で最も強力なLDL低下作用を持つと言われており、ストロングスタチンに分類されます。

  • 報告されている効果傾向:
    患者データ分析では、服用開始から数ヶ月でLDL値が平均20〜50%減少するという顕著なデータが確認されています。高リスク群(数値が200mg/dL以上など)においても、正常範囲内(100mg/dL以下等)まで改善した事例が多く報告されています。
  • 注意点と副作用傾向:
    強力な作用の反面、一部の患者様において筋肉痛や倦怠感の訴えが見られます(報告率5-10%)。ただし、水溶性薬剤であるため、他の脂溶性スタチンに比べて筋肉への移行は理論上少ないとされています。

リピトール(アトルバスタチン)|世界的なスタンダード

アトルバスタチン(商品名:リピトール)は、世界で最も多く処方されてきた実績を持つ、まさにスタチンの代名詞とも言える薬です。

  • 報告されている効果傾向:
    長期利用者(10年以上など)が多く、長期間にわたりLDL値を120mg/dL以下などで安定維持できているケースが多数確認されています。心血管イベントの抑制に関する大規模試験データも豊富で、信頼性の高さが伺えます。
  • 注意点と副作用傾向:
    一部の報告では、疲労感やだるさといったQOL(生活の質)に関わる症状の訴えが数%程度存在します。また、稀に血糖値への影響が懸念されるケースがあるため、糖尿病予備軍の方は定期的な血液検査でのモニタリングが推奨されます。

メバロチン(プラバスタチン)|副作用リスクを抑えたい方へ

メバロチン(一般名:プラバスタチン)は、日本で開発された世界初のスタチン系薬剤です。作用はマイルド(スタンダードスタチン)ですが、その分、安全性プロファイルに優れています。
他の強いスタチンで副作用が出た方からの切り替え事例において、「体調が改善した」「問題なく継続できている」との報告が多く見られます。高齢者や多剤併用者における安全性が高く評価されています。

スタチンが合わない人向け(非スタチン系薬剤)

体質的にスタチンを受け付けない方(スタチン不耐性)や、スタチンだけでは目標値まで下がらない方には、異なる作用機序を持つ薬が選ばれます。

ゼチーア(エゼチミブ)|小腸での吸収をブロック

コレステロールは肝臓で作られるだけでなく、食事からも吸収されます。ゼチーア(一般名:エゼチミブ)は、小腸にある「コレステロールトランスポーター」の働きを阻害し、吸収を抑制します。

  • 臨床上の位置づけ:
    スタチンによる筋肉痛などで継続困難だった患者様において、代替薬として選択されるケースが増えています。報告データでも、スタチンからの切り替えで副作用の消失と数値改善(15〜20%低下)を両立できた事例が確認されています 。

忙しい方へ:オンライン診療での脂質異常症治療

「薬が必要なのは理解しているが、通院の時間が取れない」

この課題を解決するのがオンライン診療です。脂質異常症は自覚症状に乏しいため、通院のハードルが高いと治療中断につながりやすい疾患です。

血液検査の結果(健康診断の結果など)があれば、それをもとに適切な薬剤を処方することが可能です。

よくある質問

必ずしもそうではありません。 食事や運動療法によって体重が減少し、数値が大幅に改善した場合は、減薬や休薬が可能なケースもあります。ただし、自己判断での中止はリバウンド現象(数値の急激な悪化)を招くリスクがあるため、必ず医師の判断を仰いでください。
有効成分は同一であり、基本的には同等の臨床効果が期待できます。 長期にわたる服用が必要な疾患であるため、ジェネリックの活用は経済的メリットが大きく、治療継続の助けとなります。
いいえ、食事療法は治療の基本です。 薬物療法と生活習慣の改善(食事・運動・禁煙)は、それぞれの効果が累積的に働きます。薬の効果を最大化し、将来の心血管イベントを防ぐためにも、併用が不可欠です。

まとめ:個別化医療による最適な薬剤選択を

コレステロール低下薬の選択において、「万人に共通する正解」はありません。

高いLDL低下効果が必要な方、副作用の少なさを最優先すべき方、それぞれの背景によって最適な薬剤は異なります。

  • 確実な低下効果を求める場合:クレストールリピトール
  • 副作用リスクを懸念する場合:メバロチンゼチーア

重要なのは、副作用への過度な不安で治療を諦めるのではなく、医師との対話を通じて「ご自身に合った薬剤」を見つけ出すことです。

監修医師

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