糖尿病の自己注射治療で必ず算定!

在宅自己注射管理料は、ご自宅でご自身で注射を行う患者さんに対し、医師がその注射の指導・管理を行った場合に算定される費用です。
この管理料は、薬剤費とは別に発生する費用であり、自己注射を行う上での指導や安全管理、体調管理に対する対価として位置づけられています。
基本的に「月に何回自己注射をするか」の回数に応じて点数が決まっています。
制度の目的と対象となる患者さん
対象となるのは、以下のような病状で自己注射が必要な方です。
- 糖尿病:インスリン製剤やGLP-1受容体作動薬の自己注射
- 成長ホルモン分泌不全性低身長症:成長ホルモン製剤の自己注射
- 慢性ウイルス性肝炎:インターフェロン製剤の自己注射
- 関節リウマチ:生物学的製剤の自己注射
- その他の疾患:医師が自己注射を必要と判断した場合
ヤックルでは、糖尿病治療で自己注射を行う方がこの管理料の対象となります。
在宅自己注射管理料の費用
自己注射に関する指導管理を行った場合に月に1回に限り算定します。
在宅自己注射管理料の回数「月27回以下/月28回以上」は注射回数を基準に考えます。
1 間歇注入シリンジポンプ | 1,230点 (情報通信機器を用いた場合:1070点) |
1以外の場合 | 月27回以下 650点 (情報通信機器を用いた場合:566点) 月28回以上 750点 (情報通信機器を用いた場合:653点) |
*情報通信機器を用いた診療とは、テレビ電話などの情報通信機器を用いたオンライン診療や遠隔診療を指します。
管理料を決める回数の数え方
複数の注射がある場合はそれぞれの注射回数を合計してください。
月27回以下それとも月28回以上?
Aさんは8/10に初診で1日1回のインスリン製剤を30日分処方してもらいました。
この場合に、管理料は月27回以下それとも月28回以上のどちらになるでしょうか?

この場合は「月27回以下」になります!
- 初診時の数え方
「指示された合計の注射回数」ではなく、その月の中での注射回数が基準となります。

再診時の数え方
- 「指示された当月分」ではなく、前回受診日〜今回受診日までの指示回数も含まれる
- 計算の起点は「再診日」ではないため注意!
- 注射の回数が途中で変わったら?
- └例)1日1回の注射を指示から、GLP1に切り替えて週1回の指示になった場合
- └この場合は、8/1~8/20まで1日1回+8/21からは週1回と計算して27回以下
ヤックルの在宅自己注射管理料の対象となる主な薬剤一覧
- インスリン製剤
- GLP-1受容体作動薬(例:マンジャロ、オゼンピック)
在宅自己注射管理料以外にかかる費用
在宅自己注射の治療では、注射針や血糖自己測定器(穿刺針やセンサー)が必要な方もいます。在宅自己注射管理料には注射針や血糖自己測定器の費用が含まれていないため、下記の費用も別途かかります。
注射器用注射針加算
院内処方(自宅配送)で注射針を処方する場合
*院外処方(薬局)ではこの加算はつきません
血糖自己測定器加算
測定器本体・穿刺針・センサーなどが含まれる
対象:医師の判断で血糖自己測定が必要な方
お薬代
インスリン、GLP-1製剤などの自己注射薬の費用
よくあるご質問(Q&A)
Q. 注射針だけを処方してもらえますか?
A. 保険適用では処方できません。注射薬と一緒に処方する必要があります。
Q. 自己注射はしていないけど血糖測定器がほしい。
A. 保険適用のルール上、自己注射薬の処方がない場合は保険適用内では支給不可となります。
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Q. 自己注射薬だけの処方なら処方箋料はかからない?
A. 原則として、自己注射薬のみの処方では処方箋料は算定されません。
※ただし、内服薬など他の薬も一緒に処方される場合は処方箋料がかかります。
Q.指示された回数分の注射ができなかった場合はどうなる?
「実際に注射した回数」ではなく、「医師が指示した回数」に基づいて算定されるため、注射を忘れてしまった場合でも算定回数が大きく変わることは少ないです。
お手元にあるお薬の量を確認し処方を行います。注射の打ち忘れは受診時に医師へご相談ください。
注射に関わる費用を把握しよう!
- 在宅自己注射管理料は、注射の指導・安全管理を行った際に算定される費用
- 月1回のみ算定、注射回数で費用が変動(27回以下 or 28回以上)
- GLP-1やインスリンなど、糖尿病の治療でよく使われる
- 血糖測定器や注射針の費用は別途必要な場合あり
- ルールが細かいため、不安なときは医師や薬剤師、会計窓口に相談しよう!
在宅自己注射には正しい知識と継続的なサポートが不可欠です。
不明点がある場合には、医療スタッフと連携しながら、より安全で効果的な治療を目指していきましょう。