頻繁にふくらはぎ(足)がつるのは糖尿病かも?対処法や予防法も紹介

2025年04月04日

この記事を読むのに必要な時間は約5分です。

 

糖尿病とは、血液中のブドウ糖=血糖値が高い状態が続く病気で、血管が傷ついたり神経や臓器などに影響が出たり、身体のいろいろな部分に異常が見られます。ふくらはぎをつる症状もそのひとつで、「糖尿病はよく足をつる」と聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。

 

糖尿病患者がふくらはぎをつりやすいのは実際に見られる傾向ですが、なぜふくらはぎをつりやすくなるのか原因を知っておくことで予防できる症状です。

 

この記事では、糖尿病患者がふくらはぎをつりやすい理由から、予防法・つったときの対処法まで詳しく解説します。糖尿病治療中の方も、よくふくらはぎをつって「糖尿病かもしれない」と不安に思っている方も、ふくらはぎのつりについて理解できる本記事を最後までご覧ください。

 

ふくらはぎがつる原因は糖尿病?

 ふくらはぎに限らず、身体のどこかを「つる」という症状を経験したことのある方も多いはず。「つる」とは、筋肉が収縮して痛みを伴う痙攣が起きた状態で、ふくらはぎをつることを「こむら返り」とも言います。

 

糖尿病でなくてもこむら返りが起こることはあり、運動中や夜中に症状がでるケースが多いです。こむら返りになる原因として、一般的には水分不足やカリウム・マグネシウムなどミネラル不足・電解質の異常・筋疲労・血行不良が考えられます。

 

また、長時間立っている状態が続いたり歩き続けたりしても起こることがあるので、「ふくらはぎがつる=こむら返り」症状自体は、誰にでも起こり得る可能性があります。しかし、糖尿病患者が起こりやすい症状としても知られており、糖尿病とこむら返りの関係を詳しく解説していきます。

 

ふくらはぎのつりと糖尿病の関係

 こむら返りや足がつる症状は誰にでも起こり得るものですが、遺伝や生活習慣などが原因で発症するⅡ型糖尿病の患者が起こりやすいと言われています。なぜ糖尿病だとつりやすいのでしょうか?糖尿病患者がふくらはぎをつりやすい理由を詳しく解説します。

糖尿病が進行すると足がつりやすくなる

 糖尿病は、初期の自覚症状がほぼ見られない病気です。そのため、糖尿病を発症してすぐはふくらはぎをつる症状は見られず、自分が糖尿病だとも気付かないケースが多いです。

 しかし、糖尿病は進行すると徐々に自覚症状がでてきたり、合併症を引き起こしたりします。その一つがふくらはぎや足をつる症状で、他には口渇・多飲・多尿などといった症状もあります。一般的には夜間に足をつることが多いですが、糖尿病の場合は昼間にも症状が出ることが多いです。

糖尿病で足がつりやすい複合的な要因

 結論から述べると、糖尿病患者が足をつったりこむら返りを起こしたりしやすい原因は詳しくわかっていません。しかし、糖尿病が身体に与える悪影響や合併症などが、ふくらはぎをつりやすい原因と関係している可能性があると言われています。

 

糖尿病には、遺伝や自己免疫疾患などが原因で発症するⅠ型糖尿病と、同じく遺伝や生活習慣病などが原因で発症するⅡ型糖尿病の2タイプがあります。糖尿病患者の約9割を占めるⅡ型糖尿病は、ふくらはぎをつる症状が出やすいタイプです。

 

高血糖の状態が続くと神経や血行に悪影響を及ぼします。また、高血糖の状態になると、口渇や多尿などによって水分不足となり脱水症状を起こすこともあります。

 

これらの神経への影響や血行不良・糖尿病による電解質の異常や脱水症状などが、糖尿病でふくらはぎや足をつる理由になると考えられています。

糖尿病の合併症を疑うケース

 糖尿病が引き起こす血管合併症のひとつに、「下肢の動脈閉塞性疾患」が挙げられます。この合併症により、下肢の血行不良が起こってふくらはぎや足をつりやすい状態が考えられます。

 ふくらはぎや足のつりが頻回に起こる場合は、糖尿病の合併症を発症している可能性を疑い、合併症検査を行う必要があります。すでに糖尿病を発症している方でふくらはぎや足を頻回につる場合は、必ず医師に相談してください。

 

糖尿病でふくらはぎをつらないための予防法

 糖尿病の方がふくらはぎをつらないために、日常生活でできる予防方法を紹介します。

水分補給をする

 ふくらはぎや足をつる原因として、水分やミネラル不足が挙げられますが、特に汗をかきやすい夏場や運動後にはこれらが不足しやすいです。そのため、水分補給をして脱水症状を起こさないことが必要です。

 

とくに汗をかくと水分とミネラルが同時に失われるため、ふくらはぎや足をつりやすい状態になります。脱水は、夏だけではなく冬にも起こる可能性があるため、季節を問わず運動後や就寝前には水分補給を心がけてください。

  

また、糖尿病の症状である口の渇きを感じる前にも水分補給をし、こまめに摂取するよう心がけましょう。

ストレッチで筋肉の柔軟性を高める

 ふくらはぎの筋肉に柔軟性があると、筋肉にこりがなくなってつりにくい状態になります。筋肉を柔らかくするためにストレッチを行いましょう。ストレッチを継続することで、徐々に筋肉に柔軟性が表れてきます。

 

簡単にふくらはぎを伸ばすストレッチで十分なので、1日2~3回ほど休憩時間や就寝前に行うのがおすすめです。

 

【簡単なふくらはぎのストレッチ方法】

  1. 立った状態で机に両手をつく
  2. 足を前後に開く
  3. 後ろに引いた足のふくらはぎをゆっくり伸ばす
  4. ふくらはぎを伸ばした状態を30秒ほどキープする
  5. 足を入れ替えて反対のふくらはぎも伸ばす

身体を冷やさない(血行をよくする)

 身体や足が冷えると、筋肉が収縮して血行が悪くなります。血行不良はふくらはぎや足のつりを引き起こしてしまうため、湯舟にゆっくり浸かったりマッサージをしたりして血行を促進させてください。

 

冷えは冬だけでなく夏のエアコンや寝汗などにも注意が必要です。冬の防寒はもちろん、夏にも冷えが気になる部分にはレッグウォーマーをつけたり、寝汗で身体が冷えないように吸水性の高い服装で寝るように心がけてください。

 

血行をよくするには、筋肉を刺激するつま先立ち運動が効果的です。転倒しないよう、壁に手をつきながら、つま先立ちを繰り返します。

 

マッサージは、保湿剤を使い足首あたりから膝に向かって、血液とリンパの流れを促しましょう。

血糖値を正常にコントロールする

 糖尿病を治療中の方は、内服やインスリン注射などで血糖を正常にコントロールする必要があります。血糖が正常になれば、糖尿病による影響も改善の傾向に向かい、ふくらはぎや足もつりにくくなります。

 

ふくらはぎがつったときの対処法

 予防をしても、ふくらはぎがつってしまう可能性はあります。ふくらはぎをつった状態で無理をして動かすと、肉離れも起こしてしまう場合があるので、正しい対処法を頭に入れておきましょう。

ふくらはぎや足をつったら、まずは楽な姿勢をみつけます。立った姿勢と座った姿勢での対処法をそれぞれ紹介します。

立った状態が楽な場合

  1. 肩の高さで壁に両手をつく
  2. つった側の足を後ろに引く
  3. 床にかかとをつけたままでつった足をゆっくり伸ばす
  4. 床にかかとをつけたまま重心を前に移動させる
  5. つった部分を伸ばして30秒間キープする
  6. 足首を回して筋肉をほぐす

座った状態が楽な場合

  1. つった側の足を立膝にする
  2. つっていない側の足は正座の形にする
  3. 前に重心をかけてつった部分を伸ばして30秒間キープする
  4. 足首を回して筋肉をほぐす

 

主な糖尿病の自覚症状

 糖尿病が進行すると、ふくらはぎや足をつる以外にもいろいろな自覚症状が出る可能性があります。ふくらはぎのつりが出ている時点で、すでに糖尿病が進行して重症化している可能性があります。ふくらはぎをよくつる場合、それ以外にも自覚症状が出ているかチェックしましょう。

 

糖尿病の主な自覚症状として、以下が挙げられます。

ふくらはぎや足のつりだけでなく、上記のような症状が出てきた場合は糖尿病が強く疑われます。初期段階では自覚症状がほぼない糖尿病は、自覚症状が出てきた段階ですでに病気が進行している可能性があります。早急に医師の診察を受けましょう。

 

頻繁にふくらはぎがつる場合は医師へ相談を

 ふくらはぎをつる=糖尿病ではありませんが、糖尿病の症状としてふくらはぎや足をつることがあります。糖尿病が原因でふくらはぎをつる場合は、昼間に症状が出たり回数が頻回になったりするケースが多いので、他の自覚症状も含めて「これって糖尿病?」と感じたら、まずは医師へ相談しましょう。

  

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監修医師

楢橋 和真

楢橋 和真

経歴
2011年3月
獨協医科大学医学部医学科卒業
2011年4月
千葉県がんセンター 初期研修
資格

一般社団法人日本救急医学会 救急科専門医

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