
「朝起きたら足の親指の付け根が腫れて、激しい痛みが…」
そんな経験のある方は、痛風発作の可能性があります。特に「足の親指の付け根」に発作が集中しやすいのは、痛風を経験した人の間ではよく知られた事実です。
本記事では、なぜ痛風発作が足の親指に起きやすいのか、その身体的な理由とメカニズムを解説します。
痛風発作とは?
痛風発作は、血液中の尿酸値が慢性的に高い状態が続くことで発症します。尿酸は、体内の代謝や食べ物(特にプリン体)から生じる老廃物で、通常は尿として排出されます。しかし、体内の尿酸が多すぎたり、排出がうまくいかなかったりすると、関節内に尿酸が結晶化してたまり、免疫反応によって引き起こされる激しい炎症が痛風発作です。
「足の親指の付け根」に発作が多い4つの理由

1. 体の末端は冷えやすく、尿酸が結晶化しやすい
尿酸は温度が下がると固まりやすい(結晶化)という性質があります。足の指先は体の末端にあり、特に気温の低い朝方などは冷えやすい場所です。冷えた関節内では、血中の尿酸が溶けきれずに結晶化しやすく、これが痛風発作の引き金となります。
2. 血流が悪く、老廃物がたまりやすい
足先は心臓から最も遠い部位の一つであり、血液の流れが滞りやすくなります。そのため、老廃物である尿酸が蓄積されやすく、結晶が関節にとどまりやすくなります。
3. 足の親指の関節は狭く、少しの結晶でも炎症を起こしやすい
足の親指の付け根(第一中足趾関節)は、構造的に関節のスペースが狭く、わずかな刺激でも炎症が起きやすい場所です。そこに尿酸の結晶が入り込むと、関節の内部に圧力がかかり、激しい痛みと腫れを引き起こす炎症反応が生じやすくなります。
4. 夜間・朝方は脱水と冷えが重なる“発作のゴールデンタイム”
人は寝ている間に汗をかくことで軽い脱水状態になります。このとき、血中の尿酸濃度が高まりやすくなります。さらに、体温も下がるため、結晶ができやすくなります。これらの条件が重なる早朝〜起床直後は、痛風発作が起きやすい時間帯といえます。
痛風を防ぐには尿酸値のコントロールから

痛風の根本的な原因は高尿酸血症です。発作を繰り返さないためには、日々の尿酸値を適切に管理することが何より大切です。
生活習慣でできる事
- 水分をしっかりとる(尿酸の排出を促進)
- アルコールを控える(特にビールや焼酎)
- プリン体の多い食事を控える(レバー・魚卵・干物など)
- 肥満を予防・改善する
医療機関での治療
- 尿酸値を下げる薬(尿酸生成抑制薬・尿酸排泄促進薬)
- 発作時の消炎鎮痛剤
- 定期的な血液検査・尿酸値のチェック
オンライン診療を活用して、無理のない治療を

痛風発作が足の親指に集中するのには、尿酸の性質・血流・関節の構造・体温の変化など、さまざまな要因が関係しています。
日々の生活に治療を無理なく取り入れ、尿酸値のコントロールを続けていくことが大切です。オンライン診療を活用しながら、ご自身のライフスタイルに合わせた管理を進めていきましょう。少しでも気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。