なぜ痛風は足の親指に起きやすい?

2025年06月17日

「朝起きたら足の親指の付け根が腫れて、激しい痛みが…」

そんな経験のある方は、痛風発作の可能性があります。特に「足の親指の付け根」に発作が集中しやすいのは、痛風を経験した人の間ではよく知られた事実です。

本記事では、なぜ痛風発作が足の親指に起きやすいのか、その身体的な理由とメカニズムを解説します。

痛風発作とは?

痛風発作は、血液中の尿酸値が慢性的に高い状態が続くことで発症します。尿酸は、体内の代謝や食べ物(特にプリン体)から生じる老廃物で、通常は尿として排出されます。しかし、体内の尿酸が多すぎたり、排出がうまくいかなかったりすると、関節内に尿酸が結晶化してたまり、免疫反応によって引き起こされる激しい炎症が痛風発作です。

「足の親指の付け根」に発作が多い4つの理由

1. 体の末端は冷えやすく、尿酸が結晶化しやすい

尿酸は温度が下がると固まりやすい(結晶化)という性質があります。足の指先は体の末端にあり、特に気温の低い朝方などは冷えやすい場所です。冷えた関節内では、血中の尿酸が溶けきれずに結晶化しやすく、これが痛風発作の引き金となります。

2. 血流が悪く、老廃物がたまりやすい

足先は心臓から最も遠い部位の一つであり、血液の流れが滞りやすくなります。そのため、老廃物である尿酸が蓄積されやすく、結晶が関節にとどまりやすくなります。

3. 足の親指の関節は狭く、少しの結晶でも炎症を起こしやすい

足の親指の付け根(第一中足趾関節)は、構造的に関節のスペースが狭く、わずかな刺激でも炎症が起きやすい場所です。そこに尿酸の結晶が入り込むと、関節の内部に圧力がかかり、激しい痛みと腫れを引き起こす炎症反応が生じやすくなります。

4. 夜間・朝方は脱水と冷えが重なる“発作のゴールデンタイム”

人は寝ている間に汗をかくことで軽い脱水状態になります。このとき、血中の尿酸濃度が高まりやすくなります。さらに、体温も下がるため、結晶ができやすくなります。これらの条件が重なる早朝〜起床直後は、痛風発作が起きやすい時間帯といえます。

痛風を防ぐには尿酸値のコントロールから

痛風の根本的な原因は高尿酸血症です。発作を繰り返さないためには、日々の尿酸値を適切に管理することが何より大切です。

生活習慣でできる事

医療機関での治療

オンライン診療を活用して、無理のない治療を

痛風発作が足の親指に集中するのには、尿酸の性質・血流・関節の構造・体温の変化など、さまざまな要因が関係しています。

日々の生活に治療を無理なく取り入れ、尿酸値のコントロールを続けていくことが大切です。オンライン診療を活用しながら、ご自身のライフスタイルに合わせた管理を進めていきましょう。少しでも気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

痛風のオンライン診療はこちら

監修医師

楢橋 和真

楢橋 和真

経歴
2011年3月
獨協医科大学医学部医学科卒業
2011年4月
千葉県がんセンター 初期研修
資格

一般社団法人日本救急医学会 救急科専門医

2025年06月17日NEW
痛風発作中に「尿酸値を下げる薬」を飲んではいけない理由

痛風発作中に尿酸値を下げる薬を飲むのは危険?その理由をわかりやすく解説。発作中に薬を飲むと悪化するメカニズムと、正しい治療の始め方を医師監修で詳しく解説します。

2025年06月19日NEW
痛風発作が治まれば安心?本当は怖い「高尿酸血症」という病気

痛風発作を繰り返す原因は高尿酸血症。放置すると腎臓や血管に深刻なダメージも。夜間オンライン診療で根本治療を始めませんか?

2024年04月18日
尿酸値を下げて痛風を撃退!今日からできる5つのポイント

痛風(高尿酸血症)は、血液中の尿酸値が基準値を超えることで起こります。放置すると、激しい痛みや腫れを引き起こす痛風発作につながります。食事、運動、生活習慣など、今日からできる対策を分かりやすく解説します。

QRコード

休診日:なし

診療は18〜22時