高血圧の代表薬アムロジピンってどんな薬?

2025年03月08日

アムロジピンとは

アムロジピンは、高血圧治療に用いられるカルシウムチャネル遮断薬(CCB)、特にジヒドロピリジン系CCBに分類される薬剤です。血管平滑筋細胞へのカルシウムイオンの流入を抑制することで血管を拡張し、血圧を低下させる効果があります。もう少し詳しく見ていきましょう。

アムロジピンが作用する仕組み

私たちの血管平滑筋細胞の膜上には、「L型カルシウムチャネル」と呼ばれる、カルシウムイオンの通り道があります。このチャネルが開くと、細胞外から細胞内にカルシウムイオンが流入し、その結果、血管が収縮します。血管が収縮すると、血液が流れにくくなり、血圧が上昇します。

アムロジピンはこのL型カルシウムチャネルに選択的に結合し、チャネルをブロックします。いわば、カルシウムイオンの通り道に蓋をするようなイメージです。カルシウムイオンの流入が阻害されると、血管平滑筋細胞内のカルシウムイオン濃度が低下し、血管が弛緩、つまり拡張します。

血管拡張と血圧低下のメカニズム

血管が拡張すると、血液の通り道が広くなるため、心臓はより少ない力で血液を送り出すことができるようになります。これが、アムロジピンによって血圧が低下するメカニズムです。また、血流の改善により、心臓への負担が軽減されるため、狭心症の症状改善にも効果を発揮します。

アムロジピンはどんな人に向いているの?

アムロジピンは、高齢者、脳卒中既往者、血管系の病気を抱える方、糖尿病患者、肥満症の方など、幅広い患者に適しています。生活習慣病の方にとっても、第一選択薬としてよく使用されます。

さらに、アムロジピンは作用時間が長く、1日1回の服用で安定した降圧効果が得られるという利点があります。また、心臓に直接作用する力が比較的弱いため、徐脈(脈が遅くなる)といった副作用が少ないというメリットも持っています。

服用時の注意点(副作用)

アムロジピンの服用中に起こり得る副作用には、足のむくみ(浮腫)、顔面のほてり、動悸などがあります。これらの症状が現れた場合には、服用を中止し、速やかに医師に相談することが重要です。また、稀にめまいや頭痛などが生じることがありますが、これも医師の指示を仰ぐべきです。

さらに、食事との相互作用に注意が必要です。特にグレープフルーツ(柑橘系)は、降圧効果(薬の効き)が高まり、必要以上に血圧が下がってしまいます。

理解を深めるためのキーワード

監修医師

楢橋 和真

楢橋 和真

経歴
2011年3月
獨協医科大学医学部医学科卒業
2011年4月
千葉県がんセンター 初期研修
資格

一般社団法人日本救急医学会 救急科専門医

2025年02月12日
高血圧がもたらす危険性|血圧が高いと出る症状から合併症まで紹介

高血圧は、日本人の3人に1人が抱える「国民病」です。自覚症状がないまま進行し、放置すると命に関わる合併症を引き起こす可能性があります。この記事では、高血圧の危険性や原因、今日からできる対策について解説します。この記事を参考に、ご自身の生活習慣を見直し、高血圧予防に役立ててください。

2025年04月09日
高血圧でもコーヒーを楽しめる!医師監修の安心ガイド【飲み方・効果・注意点】

高血圧と診断されてコーヒーを諦めていませんか?実は、正しい飲み方をすれば高血圧でもコーヒーを楽しめます。この記事では、医師がコーヒーと高血圧の関係、適切な摂取量、注意点などを分かりやすく解説。安心してコーヒーを楽しむための知識を身につけて、充実した毎日を送りましょう。

2025年04月04日
健康診断で血圧が気になる方必見!基準値や高血圧のリスクについて解説

健康診断で血圧が気になった方必見!血圧の基準値はいくつ?高血圧を放置するリスクとは?この記事では、ご自身の血圧の数値の意味と、高血圧が引き起こす怖い病気のリスクについてわかりやすく解説します。

QRコード

休診日:なし

診療は18〜22時