糖尿病の初期症状に気づいていますか?

「最近、のどがよく渇く」「トイレが近くなった」「疲れやすい」そんな症状はありませんか?
日本では成人の約6人に1人(約2,000万人)が糖尿病またはその予備軍です。糖尿病は初期段階では自覚症状がほとんどないため「サイレントキラー」とも呼ばれ、気づいた時には既に進行していることも少なくありません。
しかし、適切な知識があれば早期発見は十分可能です。この記事では、見逃してはいけない糖尿病の初期症状を内科医の視点から解説します。
糖尿病の基本を簡単に理解しよう
糖尿病とは?
糖尿病は血液中の糖(ブドウ糖)の濃度が慢性的に高くなる病気です。通常、食事をすると血糖値が上がりますが、すい臓から分泌される「インスリン」というホルモンが血糖値を正常に戻します。
糖尿病では、このインスリンの量が十分に出なくなったり、インスリンの働きが弱くなったりして、血糖値が高い状態が続いてしまいます。日本人の糖尿病患者の約95%は、生活習慣や遺伝的要因による「2型糖尿病」です。
糖尿病になりやすい人
以下に当てはまる方は注意が必要です。
- 家族に糖尿病の人がいる
- 40歳以上
- 肥満(特にお腹周りの脂肪)
- 運動不足
- 高カロリー・高脂肪の食事
- 喫煙・過度の飲酒
- 高血圧や脂質異常症がある
これらの要因が重なると、糖尿病発症のリスクが高くなります。しかし、早期発見により適切な対策を取ることで、健康な生活を維持することは十分可能です。
見逃してはいけない!糖尿病の初期症状

三大症状「多飲・多尿・多食」
糖尿病の代表的な症状として「多飲・多尿・多食」があります。これらは血糖値が高い状態がしばらく続いた時に出やすい症状ですが、気づきやすいサインでもあります。
のどの異常な渇き(多飲) 血糖値が高くなると、体は血液中の糖分を薄めようとして水分を欲します。「水を飲んでもすぐにのどが渇く」「1日に何度も冷たい飲み物を欲しがる」といった症状が特徴的です。ただし、糖分を含むジュースを飲むとさらに血糖値が上がり、症状が悪化する悪循環に陥ることがあります。
尿の回数・量の増加(多尿) 高血糖により腎臓から糖分が排出される際、大量の水分も一緒に失われます。「夜中に何度もトイレに起きる」「尿の量が以前より明らかに多い」という症状が現れます。単なる頻尿との違いは、1回の尿量も多いことです。
食欲の異常な増加(多食) 血糖値は高いのに、細胞にブドウ糖が取り込まれないため、体は栄養不足と判断して食欲を増進させます。「食べてもすぐにお腹が空く」「満腹感が得られない」といった症状が特徴です。
その他の見逃しやすい初期症状
体重減少 十分に食べているのに体重が減少するのは、糖尿病の典型的な症状の一つです。体内の糖分がエネルギーとして利用できないため、体は糖の代わりに筋肉や脂肪を燃やしてエネルギーを作るためです。1ヶ月で2-3kg以上の原因不明の体重減少がある場合は要注意です。
疲労感・だるさ 「何もしていないのに疲れる」「朝起きてもだるい」といった症状は、細胞にエネルギーが行き渡らないことで起こります。また、イライラや集中力の低下も脳のエネルギー不足が原因で生じることがあります。
視力の変化 血糖値の変動により目の水晶体の形が変わり、「目がかすむ」「ピントが合わない」といった症状が現れます。眼鏡やコンタクトの度数を変えても改善しないのが特徴です。
皮膚の症状 高血糖により皮膚が乾燥しやすくなり、「かゆみ」が生じます。また、免疫力が低下するため「傷が治りにくい」「感染症にかかりやすい」といった症状も現れます。
手足のしびれ 血糖値が高い状態が続くと、末梢神経に影響が出始めます。「足先がピリピリする」「手袋をしているような感じ」といった症状が初期の神経障害のサインです。
症状チェックリスト
以下の項目に当てはまるものをチェックしてください。
□ のどがよく渇き、水分をたくさん取るようになった
□ 尿の回数や量が明らかに増えた
□ 夜中にトイレで起きることが増えた
□ 食べてもすぐにお腹が空く
□ 食べているのに体重が減った
□ 疲れやすく、だるさが続く
□ 目がかすんだり、見えにくくなった
□ 皮膚がかゆい、傷が治りにくい
□ 手足にしびれやピリピリ感がある
□ 集中力が続かない、イライラしやすい
判定結果:
- 3個以上該当:糖尿病の可能性があります。早めに医療機関を受診してください
- 1-2個該当:念のため健康診断や血糖値検査を受けることをお勧めします
- 0個:現在のところ心配ありませんが、定期的な健康チェックは大切です
なぜこれらの症状が現れるのか?
高血糖が引き起こす体の変化
糖尿病の症状は偶然起こるものではありません。すべて高血糖という根本的な問題から生じる、体の自然な反応なのです。そのメカニズムを理解することで、症状の重要性がより明確になります。
血糖値が高い状態が続くと、血液の流れが悪くなり血管に負担がかかります。また、余分な糖分は「糖化」という反応を起こし、血管や神経、臓器にダメージを与えます。これが様々な症状を引き起こす根本的な原因です。
高血糖は主に以下の3つの経路で体に影響を与えます。
- 浸透圧の変化:血液中の糖濃度が高くなることで水分バランスが崩れる
- 血管への直接的ダメージ:高濃度の糖が血管壁を傷つける
- 神経への毒性作用:高血糖により神経細胞が傷害される
症状別のメカニズム詳細
多飲・多尿のメカニズム 血糖値が約180mg/dLを超えると、腎臓で糖分を再吸収しきれなくなり、尿に糖が出始めます(これを「尿糖」と言います)。糖分は水分を引っ張る性質があるため、大量の水分も一緒に失われます。すると体は脱水状態になり、のどの渇きを感じて水分補給を促すのです。
体重減少のメカニズム
インスリンが正常に働かないと、細胞は血液中の糖分を利用できません。そこで体は「飢餓状態」と判断し、筋肉や脂肪を分解してエネルギーを作り出そうとします。これが、食べているのに痩せてしまう理由です。
疲労感のメカニズム 糖分は体のガソリンのような存在です。インスリンの働きが悪いと、このガソリンが細胞に届かず、常にエネルギー不足の状態になります。特に脳は糖分を主なエネルギー源とするため、集中力の低下やイライラも起こりやすくなります。
神経症状のメカニズム 高血糖状態では、糖の一種である「ソルビトール」が神経の内に蓄積します。この物質が神経細胞を腫らせ、神経の伝達機能を阻害することで、手足のしびれや痛みが生じます。末梢神経から症状が始まり、徐々に全身に広がっていくのが特徴です。
症状に気づいたら、まずすべきこと
早期発見の重要性
糖尿病は適切な治療により、健康な人とほとんど変わらない生活を送ることができる疾患です。しかし、放置すると血管や神経に深刻な影響を与える可能性があるため、早期発見・早期治療が何より大切です。
「症状が軽いから様子を見よう」「忙しいから後で」と先延ばしにしがちですが、糖尿病は進行性の疾患です。早く対処すればするほど、将来の健康を守ることができます。
すぐに医療機関を受診すべき症状
以下の症状がある場合は、糖尿病の急性合併症の可能性があり、緊急性が高いため直ちに医療機関を受診してください。
緊急度の高い症状
- 激しい吐き気・嘔吐が続く
- 呼吸が荒く、息に甘い臭いがする
- 意識がもうろうとする、反応が鈍い
- 急激な体重減少(1週間で2kg以上)
- 高熱と共に強いのどの渇きがある
これらは「糖尿病性ケトアシドーシス」という生命に関わる状態の可能性があります。特に若い方や、初めて糖尿病と診断される方に起こりやすい症状です。
できるだけ早く受診すべき症状
- 前述のチェックリストで3個以上該当
- 健康診断で血糖値やHbA1cの異常を指摘された
- 家族歴があり、典型的症状が複数ある
自分でできる応急対応
医療機関を受診するまでの間、以下の点にご注意ください。
水分補給について のどが渇いても、糖分を含む飲み物(ジュース、スポーツドリンク、果物ジュースなど)は避けてください。これらは血糖値をさらに上昇させ、症状を悪化させる可能性があります。水やお茶など、糖分を含まない飲み物を少しずつ摂取しましょう。
食事について 極端な食事制限は避け、普段通りの食事を心がけてください。ただし、明らかに高糖質な食品(お菓子、甘い飲み物、白米の大盛りなど)は控えめにしましょう。
避けるべき行動
- 激しい運動(血糖値が非常に高い場合、運動により悪化することがあります)
- アルコール摂取(血糖コントロールを乱す可能性があります)
- 市販薬での自己判断(医師の診断を受けるまで待ちましょう)
医療機関選びのポイント
糖尿病が疑われる場合は、以下の点を考慮して医療機関を選びましょう。
診療科について 内科、糖尿病内科、代謝内科が適しています。糖尿病専門医がいる医療機関であれば、より専門的な診断と治療が期待できます。
検査体制について 血糖値、HbA1c、尿検査などがその場で実施できる医療機関が理想的です。これらの検査結果により、糖尿病の診断と状態の評価が可能になります。
継続受診の可能性 糖尿病は継続的な管理が必要な疾患です。通いやすい立地にあるか、診療時間が自分の生活スタイルに合うかも重要な要素です。近年は、オンライン診療を活用することで、より継続しやすい治療環境を選択することも可能になっています。
気になる症状があれば、まずはオンライン診療で相談を
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オンライン診療のメリット
糖尿病の初期症状に気づいても、「まだ軽いから」「忙しくて病院に行けない」と先延ばしにしてしまう方が多くいらっしゃいます。しかし、糖尿病は早期発見・早期治療が何より重要な疾患です。
そこでお勧めしたいのが、オンライン診療での初回相談です。オンライン診療には以下のような多くのメリットがあります。
利便性の高さ 自宅やオフィスから受診可能で、移動時間や待ち時間が不要です。「ちょっと気になる」という段階でも、気軽に相談できます。
プライバシーの保護 糖尿病への不安を人に知られることなく、プライベートな環境で医師と話すことができます。
継続性の向上 定期的なフォローアップもオンラインで可能なため、治療の継続性が高まります。血糖値のコントロールには継続的な医師との連携が不可欠です。
感染リスクの回避 医療機関への訪問による感染リスクを避けながら、必要な医療を受けることができます。
ヤックルのオンライン診療の特徴
「ヤックル」は、糖尿病をはじめとした生活習慣病に特化したオンライン診療サービスです。40代・50代の仕事が忙しい方を中心に、継続治療が重要な慢性疾患の管理をサポートしています。
生活習慣病専門のオンライン診療 糖尿病、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症の4疾患に特化した専門的な診療を提供しています。これらの疾患は継続的な管理が重要ですが、仕事の都合で定期通院が難しい方でも、好きな場所やタイミングで受診できる医療体験を実現しています。
エビデンスに基づいた確実な診療 オンライン診療でありながら、自宅血液検査を併用することで、血糖値やHbA1cなどの客観的なデータに基づいた治療を提供します。「オンラインだから検査ができない」という心配はありません。
いつもの病院と変わらない安心感 保険適用のため、会計はいつもの病院と変わりません。また、先生が曜日固定制なので、いつも同じ先生に継続して診てもらえます。これにより、病状の変化や治療効果を正確に把握し、一人ひとりに最適な治療を提供できます。
薬の受け取りも自宅で完結 処方されたお薬は自宅へ直接お届けすることも可能です。薬局に足を運ぶ必要がないため、忙しい方でも治療を継続しやすい環境を整えています。
治療中断を防ぐサポート体制 慢性疾患で最も重要なのは治療の継続です。ヤックルでは、通院の負担を軽減することで治療中断を防ぎ、長期的な健康管理をサポートしています。
早期発見・早期治療で健康な生活を
糖尿病は確かに注意が必要な病気ですが、早期に発見し適切な治療を行えば、健康な人とほとんど変わらない生活を送ることができます。大切なのは、初期症状を見逃さず、気になることがあれば早めに行動を起こすことです。
症状チェックの重要性を再確認 本記事でご紹介した症状チェックリストで、3個以上該当する項目があった方は、ぜひ早めに医療機関にご相談ください。「まだ軽いから大丈夫」「忙しいから後で」という気持ちは分かりますが、糖尿病は早期発見・早期治療が最も効果的な疾患の一つです。
小さな症状でも大切なサイン 「最近ちょっと疲れやすい」「のどがよく渇く」といった軽微な症状でも、それがあなたの体からの大切なメッセージかもしれません。日常生活の小さな変化に目を向け、気になることがあれば記録をつけ、適切なタイミングで医師にご相談ください。
オンライン診療という新しい選択肢 自宅にいながら医師に相談でき、必要に応じて適切な検査機関のご紹介や継続的なフォローアップも可能です。
健康な未来への第一歩 糖尿病の初期症状に気づくことは、あなたの将来の健康を守る第一歩です。症状があるからといって必ずしも糖尿病とは限りませんが、早めに確認することで安心を得ることができます。一人で悩まずに、まずは専門医にご相談ください。
今すぐできることから始めませんか? 症状が気になる方は、まずはオンライン診療でのご相談をお勧めします。また、今症状がない方も、定期的な健康チェックと生活習慣の見直しから始めてみてください。お気軽にお問い合わせください。あなたの健康な未来のために、私たちがしっかりとサポートいたします。