健康診断で脂質検査に異常値がでた時の原因と対処法まとめ

2025年04月04日

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健康診断で脂質検査に異常値が出た場合、どのように対処すれば良いのでしょうか?この記事では、LDLコレステロールや中性脂肪などの脂質異常の原因をわかりやすく解説し、食事や運動・生活習慣の改善方法について具体的に紹介します。脂質異常による健康リスクや医療機関での治療の流れについても解説しています。

 

脂質とは?

 脂質とは、私たちの体にとって重要なエネルギー源であり、細胞膜の構成成分やホルモンの材料となる有機化合物です。大きく分けてコレステロールと中性脂肪(トリグリセリド)があり、健康診断ではこれらの数値が基準値を超えていないかを確認し、「脂質異常症」のリスクを評価します。脂質異常症は、自覚症状がほとんどないため、健康診断などの血液検査で早期発見することが重要です。

 

  血液検査では、血液中に含まれる脂質の濃度を測定し、総コレステロール・LDLコレステロール(悪玉コレステロール)・HDLコレステロール(善玉コレステロール)・中性脂肪の各項目をチェックします。これらの数値を把握することで、動脈硬化などの生活習慣病のリスクを早期に発見し、予防に繋げることができます。健康維持のためにも、脂質の適切な管理は欠かせません。

総コレステロール値とは?役割と重要性

 総コレステロールとは、血液中に含まれるすべてのコレステロールの合計値です。コレステロールには、LDLコレステロールやHDLコレステロールなどの種類があり、それぞれ異なる役割を担っています。総コレステロール値は、これらのコレステロールを総合的に評価する指標となります。

 

  コレステロール自体は、細胞膜の構成成分として重要な役割を果たしており、ホルモン・胆汁酸・ビタミンDの生成にも関与しています。総コレステロール値が高すぎると動脈硬化のリスクが高まるため、適切な範囲に維持することが重要です。

LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の影響とリスク

 LDLコレステロールは、「悪玉コレステロール」とも呼ばれ、肝臓から全身の細胞へコレステロールを運搬する役割を担っています。しかし、LDLコレステロール値が高すぎると血管壁にコレステロールが蓄積し、動脈硬化を引き起こす原因となります。

 

 動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な疾患のリスクが高まるため、LDLコレステロール値の管理は非常に重要です。

HDLコレステロール(善玉コレステロール)の役割とその重要性

 HDLコレステロールは、「善玉コレステロール」と呼ばれ、血管壁に蓄積した余分なコレステロールを肝臓に回収する役割を担っています。

 

 HDLコレステロール値が高いほど動脈硬化のリスクが低くなるとされており、HDLコレステロール値は積極的に高めることが望ましいとされています。

中性脂肪(トリグリセリド)とは? 高値のリスクと原因

 中性脂肪(トリグリセリド)は、食事から摂取した脂質が体内で分解されてできる物質で、主なエネルギー源として利用されます。しかし、中性脂肪値が高すぎると、動脈硬化のリスクを高めるだけでなく、メタボリックシンドロームなど他の生活習慣病のリスクも高まることが知られています。

 

中性脂肪値が高くなる原因としては、過食・アルコールの過剰摂取・運動不足などが挙げられます。

 

健康診断での脂質検査の基準値と結果の見方

 健康診断における脂質検査は血液検査によって行われ、総コレステロール・LDLコレステロール・HDLコレステロール・中性脂肪の各項目が測定されます。これらの数値を基準値と照らし合わせることで、脂質異常症のリスクを評価します。

各脂質項目の基準値一覧

各脂質項目の基準値は以下の通りです。ただし、これらの数値はあくまで目安であり、年齢や性別、他の健康状態によって適切な範囲が異なる場合があります。

項目基準値
総コレステロール200mg/dL未満
LDLコレステロール140mg/dL未満
HDLコレステロール40mg/dL以上
中性脂肪(空腹時)150mg/dL未満

基準値を超えた場合の健康リスクとは?

 いずれかの脂質項目が基準値を超えている場合、脂質異常症と診断される可能性があります。脂質異常症は動脈硬化の進行を促進し、心筋梗塞・脳梗塞・狭心症など重大な疾患のリスクを高めます。また、高血圧・糖尿病・脂肪肝など、他の生活習慣病との関連も指摘されています。

 

脂質異常症の原因とその影響

 脂質異常症は、さまざまな要因が複合的に関与して発症します。生活習慣の乱れだけでなく、遺伝的な要因も影響することが知られています。

食生活や生活習慣が脂質に与える影響

 食生活は、脂質値に大きな影響を与えます。飽和脂肪酸やコレステロールを多く含む食品の過剰摂取は、LDLコレステロール値や中性脂肪値を上昇させる原因となります。また、運動不足・喫煙・過度の飲酒なども脂質値に悪影響を与えます。

遺伝的要因と脂質異常症の関係

 遺伝的な要因も、脂質異常症の発症に影響を与えることが知られています。家族性高コレステロール血症などの遺伝性疾患は、生まれつきコレステロール値が高くなる体質を持っています。

脂質異常の影響が考えられる疾患

 脂質異常は、さまざまな疾患のリスクを高めます。特に、動脈硬化性疾患(心筋梗塞・脳梗塞など)や、膵炎・脂肪肝などの疾患との関連が深く、これらの疾患の発症リスクを高める要因となります。

 

脂質異常を改善・予防するための生活習慣

 脂質異常を改善・予防するためには、生活習慣の見直しが不可欠です。食事療法・運動習慣の導入・禁煙・節酒などが効果的です。

食事療法:脂質をコントロールする食生活のポイント

 食事療法では、飽和脂肪酸やコレステロールの摂取を控え、食物繊維や不飽和脂肪酸を積極的に摂取することが推奨されます。具体的には、肉の脂身やバターなどの動物性脂肪を控え、魚や植物油(オリーブオイルなど)を積極的に摂取するように心がけましょう。

運動習慣の重要性と効果的なエクササイズ

 適度な運動は、HDLコレステロール値を高め、中性脂肪値を下げる効果があります。ウォーキング・ジョギング・水泳などの有酸素運動を、週に数回・30分以上行うことが推奨されています。

禁煙・節酒が脂質に与える影響は?

 喫煙は、HDLコレステロール値を低下させて動脈硬化を促進する要因となります。また、過度の飲酒は中性脂肪値を上昇させる原因となります。禁煙と節酒は、脂質値の改善に効果的です。

 

健康診断後の対処法と医療機関の受診について

 健康診断で脂質の異常を指摘された場合は、放置せずに適切な対応を取ることが重要です。

再検査が必要な場合の対応と注意点

 再検査が必要な場合は、医師の指示に従って適切な時期に再検査を受けましょう。再検査前は、過度な食事制限や運動は避け、普段通りの生活を送るようにしましょう。

専門医への相談タイミングと治療の流れ

 再検査の結果、脂質異常が確認された場合は、専門医(循環器内科など)への相談を検討しましょう。専門医は、詳細な検査を行い、個々の状態に合わせた適切な治療を行います。治療は、生活習慣の改善指導や薬物療法などが行われます。

 

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ヤックルの医師紹介

監修医師

楢橋 和真

楢橋 和真

経歴
2011年3月
獨協医科大学医学部医学科卒業
2011年4月
千葉県がんセンター 初期研修
資格

一般社団法人日本救急医学会 救急科専門医

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