
「しめじ」とは、糖尿病の三大合併症である「神経障害」「網膜症」「腎症」の頭文字を取った語呂合わせです。具体的には、
- し=神経障害
- め=網膜症
- じ=腎症
この3つの合併症は、長期にわたる高血糖によって血管や神経が障害されることで起こります。糖尿病の治療においては、血糖値のコントロールと同じくらい、これら合併症の予防と早期発見が重要です。「しめじ」という語呂は、医療現場でも患者指導に用いられることがあります。
「しめじ」のそれぞれが起こすリスク
神経障害(し)

神経障害は、糖尿病で最も多く見られる合併症のひとつです。手足のしびれや痛み、感覚の鈍化、または自律神経の異常により胃腸障害や立ちくらみが起こることもあります。進行すると、けがに気づきにくくなり、感染や潰瘍、最悪の場合には切断に至ることもあります。実際に、感染が進行して蜂窩織炎(ほうかしきえん)と呼ばれる状態になり、足が赤黒く腫れ上がるような重い症状が現れるケースもあります。
網膜症(め)

糖尿病網膜症は、目の奥にある網膜の血管が障害されることで起こり、進行すると視力の低下や失明につながります。特に自覚症状がないまま進行するため、定期的な眼底検査が欠かせません。糖尿病が長期化するほどリスクは高まります。
腎症(じ)

糖尿病腎症は、腎臓の細かい血管が傷つき、老廃物をうまく排出できなくなる状態です。初期には自覚症状がほとんどありませんが、進行すると腎機能が低下し、最終的には人工透析が必要になることもあります。人工透析が始まると、通常は週に3回の通院が必要となり、1回あたり約4時間の治療時間がかかります。食事や水分の制限も厳しくなり、生活に大きな負担がかかるため、早期発見と進行予防が極めて重要です。早期発見には尿検査が有効です。
実は「えのき」も危ない!大血管合併症

「しめじ」と並んで覚えておきたい語呂が「えのき」です。
- え=壊疽(えそ)
- の=脳卒中
- き=狭心症・心筋梗塞
これらは糖尿病によって進行する「大血管合併症」に分類されます。末梢血管が詰まり、足の壊疽や心臓・脳への深刻なダメージを引き起こします。動脈硬化の進行によって命に関わる疾患につながるため、こちらも非常に重要なポイントです。
糖尿病患者さんにおすすめのしめじレシピ

しめじは低カロリー・低糖質で食物繊維が豊富な食材として、糖尿病の方にもおすすめです。
これらのレシピは、血糖値を意識しつつ満足感のある食事が可能です。!
●しめじと鶏むね肉のレンジ蒸し
鶏むね肉としめじ、もやしを耐熱皿に入れ、塩・こしょう・酒をふって電子レンジで加熱するだけ。

●しめじとほうれん草のポン酢和え
ゆでたほうれん草としめじをポン酢で和えるだけの簡単副菜。

●鮭としめじの柚子こしょう炒め
フライパンで鮭としめじを炒め、最後に柚子こしょうで風味をつける。
