糖尿病の発症予防
糖尿病の発症には遺伝的要因や生活要因など様々です。生活要因が発症にかかわり多くの方が当てはまるタイプである2型糖尿病においては、肥満がベースにあることがしばしばです。このような方においては食事前に飲水をすると、食事量が抑えられることで肥満の改善が期待されその結果、糖尿病発症の予防につながると考えられます。
具体的には毎食事の30分前にコップ1杯の水分摂取でも効果があるといわれています。
食生活や運動習慣などの生活スタイルの改善は糖尿病の発症の予防には大切ですが、忙しい中でもうまく取り入れられることや長期に続けられるものを選択する必要があります。そのような場合、中でも水を飲むといった行動は比較的簡単にできる手段ではないかと思います。
糖尿病を疑うとき(口喝/喉の渇き)
高血糖が持続すると、利用できない糖を尿から排泄しようと尿の回数が増加、頻尿となります。その結果のどが渇いて多量に水分を欲しくなります。
これらの症状がある場合、脱水にならないように十分な水分摂取をし、すみやかに医療機関に受診してください。
糖尿病を放置すると
上記の症状を放置して病院に受診しないと、さらに糖がうまく使われないことにより、体重が減少したり場合によっては意識障害など重篤な症状が現れることもあります。
糖尿病の管理の大切さ
血糖の管理(ヘモグロビンA1cの値と随時血糖値で管理します)においての重要性は、いかに慢性的な合併症を予防できるかです。高血糖が長年にわたると、眼、腎臓、末梢神経、心臓、脳など全身の血管に障害を来すようになります。これらの合併症の発症は、生活の質が低下するだけではなく、医療費の負担額の増大にも繋がります。現在が無症状であったとしても血糖高値が持続すると10年もしない間に合併症を来すと言われています。
糖尿病と診断されたら
体内にはインスリンという血糖を下げるホルモンを分泌する臓器があります。
糖尿病と診断された多くの方においては、2型糖尿病といってインスリン分泌は保たれているがインスリンの効きがわるくて高血糖になるタイプに属します。2型糖尿病の方には、食事、運動、薬剤療法が治療の軸となります。
一方で1型糖尿病は膵臓からインスリンの分泌は全くないタイプで、治療にはインスリンが必要不可欠です。
いずれの糖尿病であったとしても、定期的な受診と適切な治療の介入と合併症の有無の確認が必要です。一般的に合併症予防の目標HbA1cは7.0%と言われております。
近年では、新規の内服薬やインスリン製剤が登場してきておりますため、患者様の生活環境に応じても投薬内容を変更したりより繊細に治療することも可能となってきました。
診断結果や診断後どんな治療になるかなど不安があると思いますが、放置せずに受診していただくことがまず大切です。