糖尿病の原因を徹底解説｜遺伝・生活習慣・加齢による影響まで

2025年11月08日

糖尿病の主な原因は、大きく3つに分類されます。

複数の要因が重なり合うことで、糖尿病の発症リスクはさらに高まります。

糖尿病とは、血糖値を下げるホルモン「インスリン」の作用不足により、慢性的に血糖値が高くなる病気です。インスリンは膵臓のβ（ベータ）細胞という部分から分泌され、血液中の糖をエネルギーとして細胞へ取り込む働きを担っています。

しかし、インスリンが十分に分泌されなかったり、うまく働かなくなる（インスリン抵抗性）と、血糖値が高い状態が続き、全身の血管や神経が傷つき様々な合併症を引き起こします。

糖尿病には主に次の3つのタイプがあります。

糖尿病は完治を目指す病気ではなく、コントロールする病気です。膵臓の機能低下は不可逆的であり、一度損なわれたインスリン分泌機能を完全に回復させることは困難です。しかし、食事療法・運動療法・薬物療法を組み合わせることで、健常人と変わらない生活を維持することは十分可能です。

「薬をやめる＝治る」ではなく、「薬を使いながら健康を保つ」ことが目標です。

糖尿病の発症には、遺伝的な素因が深く関係します。両親が糖尿病の場合、子どもの発症リスクは40〜60％、片親が糖尿病でも20〜30％とされています。一卵性双生児の一致率が90％を超えるという報告もあり、遺伝要因の強さを物語っています。

「健康的な生活をしていても発症する人がいる」——それは遺伝的に糖代謝が弱い体質が関係しているからです。

これらに当てはまる人は、年齢に関わらず早期検査を受けることが重要です。

2型糖尿病の最大の原因は、生活習慣の乱れです。特に、以下のような要因が重なることでリスクが急上昇します。

これらの習慣が続くと、インスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」が進行し、血糖コントロールが難しくなります。

実際、食事と運動を見直すことでHbA1cが11%から6%台に改善し、薬を使わずに維持している例もあります。
（※HbA1cは過去1~2カ月の平均血糖値の指標）

糖尿病は初期症状が分かりづらいため、気づかないうちに進行してしまうことがあります。以下のような症状が見られたら注意が必要です。

「食べていないのに手が震える」「やたらと喉が渇く」などの症状は、糖尿病のサインである可能性があります。

糖尿病が恐ろしいのは「合併症」にあります。高血糖状態が長期間続くことで、全身の血管・神経に障害をもたらし、次の3大合併症を引き起こします。

合併症は「静かに進行する」ため、痛みが出たときにはすでに進行していることも。年1回の検査が命を守ります。

糖尿病にはいくつかの誤解や偏見があります。

糖尿病は「自己責任の病気」ではなく、「誰にでも起こりうる慢性疾患」です。正しい知識を持ち、早めの検査と治療を行うことが何より大切です。