生活習慣病と運動、なぜ関係が深いのか?

2025年07月19日

生活習慣病――高血圧、糖尿病、脂質異常症など――は、その名の通り「生活習慣」が原因で発症・進行する病気です。特に、運動不足は生活習慣病のリスクを高める要因のひとつ。

体を動かす習慣があると、血糖値のコントロールや血圧の安定、脂質バランスの改善など、様々な健康効果が期待できます。逆に言えば、「運動を習慣にする」だけで、これらの病気を予防・改善できる可能性があるのです。

理想的な運動時間とは

厚生労働省が推奨する身体活動量の目安は「週150分以上、中強度の運動を行うこと」。例えば、1日30分の早歩きを週5日行うイメージです。

“中強度”とは、息が少し弾むけれど会話はできる程度の運動。ウォーキング、軽いジョギング、サイクリング、ラジオ体操などが該当します。

実は私も、毎日犬の散歩を続けています。これが完全に習慣になっていて、気づいたら30分は歩いているんです。理想を目指すより、“できる範囲”から始めましょうと、患者さんにもお伝えしています。

「理想的な運動」はハードルが高いという方におすすめの始め方

1日30分×週5回というのは理想です。でも、いきなり毎日は難しいという方も多いでしょう。そんなときは、週1回30分のウォーキングから始めるのがおすすめです。

無理なく始めて、少しずつ頻度や時間を増やすことが大切です。「続けられる」ことこそが、最も重要なポイントなのです。

日常に潜む“小さな運動チャンス”を見逃すな!

運動はスポーツジムで汗を流すことだけではありません。普段の生活の中にも、小さな運動チャンスがたくさんあります。

こうした「ながら運動」でも、積み重ねれば立派な運動量になります。

生活習慣病の改善に必要なのは“継続できる運動”

生活習慣病は“習慣”が原因。だからこそ、改善の鍵も「習慣」にあります。

いきなり完璧な運動を目指すのではなく、「できた!」という成功体験を積み重ねることで、運動が日常の一部になっていきます。

習慣化のコツ:

生活をちょっと変えるだけで、体は健康に

生活習慣病は、生活の中の小さな選択が積み重なって発症する病気です。

だからこそ、「少しだけ体を動かす」ことを毎日に取り入れるだけでも、将来の健康リスクは大きく変わります。

まずは週1回、30分の散歩から。 そこから新しい習慣を一緒につくっていきませんか?

監修医師

楢橋 和真

楢橋 和真

経歴
2011年3月
獨協医科大学医学部医学科卒業
2011年4月
千葉県がんセンター 初期研修
資格

一般社団法人日本救急医学会 救急科専門医

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