高血圧がもたらす危険性|血圧が高いと出る症状から合併症まで紹介

2025年02月12日

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 「高血圧」という病気は、誰もが一度は耳にしたことのある病気と言っても過言ではないほど、身近な病気のひとつです。日本人口の3人に1人が高血圧患者と言われており、「日本の国民病」とも呼ばれている病気です。

 

高血圧は、身近といっても決して軽い病気ではありません。高血圧を放置しておくと、自覚症状が出るだけでなく、命に関わるケースもあるほど危険性の高い病気です。

 

では、実際に高血圧にはどんな危険性があるのでしょうか。本記事で詳しく・分かりやすく解説します。また、記事の後半では高血圧の対策方法も併せて紹介しています。怖い病気だからといって恐れず、日常生活でできる対策も取り入れていきましょう。

 

高血圧とは?放置するリスクと原因・対策を徹底解説

  高血圧とは、文字通り「血圧が高い状態」を表しますが、どんな症状が出るか・身体にどんな影響を与えるかなど、病気について詳しく知っている方は少ないかもしれないです。

 

そもそも血圧とは、血液が流れる際に血管の内壁にかかる圧力のことを言います。心臓が収縮して血液が血管へ送り出されるときの血圧は収縮期血圧(最高血圧)で、「上の血圧」と言われ、血液が全身から戻ってきて心臓が拡張したときの血圧は拡張期血圧(=最低血圧)で、「下の血圧」と言います。

 

血圧の数値が、診察室で測定したときに140/90㎜Hg以上、家庭で測定したときに135/85㎜Hg以上続いた場合に「高血圧」と診断されます。血圧は痛みやストレスなどで一過性に上昇する場合もあるため、基準値を超した状態が続くことが高血圧と診断する条件のひとつです。

 

高血圧を放置するリスク

 高血圧は、初期段階では自覚症状がないケースが多く、高血圧だと気付けない人が多い病気です。そのため、放置してしまうと症状がないと言われる高血圧でも症状が出てきたり、身体に悪影響を及ぼす危険性があります。別名「サイレントキラー」とも呼ばれている高血圧のリスクは以下の通りです。

高血圧が進行すると現れる症状

 初期段階では自覚症状がないことの多い高血圧ですが、重症化するとさまざまな症状が見られ、主に頭痛・めまい・立ちくらみ・目がチカチカするといった症状が挙げられます。

 

頭痛は、特に後頭部にズキズキとした痛みが出ることがあり、めまいや立ちくらみだけでなくふわふわとした感覚が襲うこともあります。目の症状は、チカチカする以外にも視界がぼやけるケースもあるので、高血圧の症状は日常生活にも影響が出る可能性があります。

高血圧が引き起こす深刻な合併症

 高血圧は、放置すると合併症を引き起こすリスクがある危険性の高い病気です。

 

高血圧によって血管に負担がかかり続けると、血管が傷つき厚くなり、次第に硬くなります。これが「動脈硬化」と言われる状態で、高血圧によって太い血管と細い血管の両方が動脈硬化になるリスクを持っています。

 

血管疾患だけでなく、脳・心臓・腎臓などの臓器に影響を与え、合併症の中には死亡リスクが高い病気もあります。合併症によっては入院レベルとなる合併症もあるので、高血圧は危険性の高い病気であることを知っておきましょう。

 

高血圧の主な合併症

 動脈硬化は、進行すると脳や心臓など多くの機能や臓器に悪影響をもたらします。高血圧が引き起こす主な合併症を解説します。

脳疾患

 動脈硬化で硬くなった脳血管に強い圧力がかかり続け、脳血管が破裂する可能性があります。また、血栓ができやすくなるため、血管が詰まり血液が流れなくなります

 

高血圧によって引き起こされる主な脳疾患は以下が挙げられます。

心臓疾患

 動脈硬化になった後も心臓は強い圧力のまま血液を送りだし続けるため、心臓への負荷が大きくなり、心臓が肥大化したり心機能が低下したりします。また、心臓にある冠動脈が詰まってしまう可能性もあります。

 

高血圧によって引き起こされる主な心臓疾患は以下が挙げられます。

腎臓疾患

 高血圧は、腎臓の合併症も引き起こす可能性があります。腎臓は血液をろ過して尿を作り、体内の老廃物を排出する臓器です。しかし、小さな動脈の塊とも言える臓器なので、高血圧によって動脈硬化が進行すると、腎機能の低下にも繋がります

 

高血圧によって引き起こされる主な腎臓疾患は以下が挙げられます。

その他の疾患

 高血圧によって血管が傷ついたり硬くなったりすると、全身の血管に悪影響を及ぼします。脳疾患・心臓疾患・腎臓疾患以外も、血管の病気や目の病気なども引き起こす可能性があります。

 

高血圧によって引き起こされるその他の合併症は以下が挙げられます。

 

高血圧の原因と対策

 合併症を引き起こす危険がある高血圧は、主に原因疾患に起因する高血圧と生活習慣・遺伝に起因する高血圧があります。

原因疾患に起因する高血圧(二次性高血圧)

 原因疾患に起因する高血圧の場合、高血圧自体の治療をしても改善が見られません。原因疾患の治療を行い完治させることで、血圧の数値が正常へ戻り高血圧の症状も改善の方向へ進んでいきます。

 

主な原因疾患には、「睡眠時無呼吸症候群」や、副腎(腎臓の上にある小さな臓器)からアルドステロンというホルモンが過剰分泌される「原発性アルドステロン症」などが挙げられます。

 

高血圧の薬物治療をしても改善が見られない場合や、高血圧が急速に進行したりした場合は、原因疾患による高血圧を疑う必要があります。

遺伝的要因と高血圧

 高血圧の両親や親族がいると、高血圧になりやすい体質が遺伝する可能性があります。また、高血圧を発症した人と生活をともにしていると、同じ生活習慣を送っている可能性が高いため高血圧を発症しやすいと言えます。

 

高血圧が遺伝しないよう防ぐことはできませんが、生活習慣を見直すことで高血圧の発症を防げる場合があります。高血圧になりやすい体質でも、高血圧を発症させないように生活習慣を改善していきましょう。

生活習慣に起因する高血圧(本態性高血圧)

 私たちの日常生活の中には、高血圧の原因になる要素が潜んでいます。前述したように、遺伝による高血圧は予防することは難しいですが、生活習慣を見直して高血圧症の発症を予防することは可能です。

 

高血圧の原因となる主な生活習慣と、その対策方法は以下の通りです。

原因対策
塩分の摂りすぎ・1日あたり塩分量6gが目安・野菜・肉・魚のバランスのいい食事を摂る
アルコールの摂りすぎ・1日の適正飲酒量は男性はビール500ml・女性は250ml・週2日以上の休肝日
運動不足・1日30~60分ほどの有酸素運動をする・週に5日以上が望ましい
タバコ・タバコは高血圧以外の病気も原因にもなるため禁煙を目指す
ストレス・十分な睡眠とリフレッシュによるストレス解消

 

血圧に異常を感じたら絶対に放置しない

 高血圧という病気の危険性を理解していただけたでしょうか。高血圧は、放置すると日常生活に影響する症状が出るだけでなく、多くの合併症を引き起こす可能性があります。「よく聞く病気だから」「周りにも高血圧の人が多いから」と安心せず、血圧の数値に異常があったり自覚症状が出てきたりしたら、放置せずに必ず医師に相談してください

 

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高血圧のオンライン診療

監修医師

楢橋 和真

楢橋 和真

経歴
2011年3月
獨協医科大学医学部医学科卒業
2011年4月
千葉県がんセンター 初期研修
資格

一般社団法人日本救急医学会 救急科専門医

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